Ryzen 7 2700とは

Ryzen 7 2700はRyzenシリーズとしては第2世代にあたるCPUで、「Zen+」アーキテクチャを採用しています。

第1世代のRyzenと比較して、製造プロセスが14nm→12nmに微細化された事により、クロック数が向上しているのが特徴。Ryzen 7 1700と比較し、ベースクロックは3.0Ghz→3.2GHzに、ブーストクロックは3.7Ghz→4.1Ghzに引き上げられています。

その他対応メモリもDDR4-2933まで引き上げられているなど、全体的な足回りが向上している印象です。

Ryzen 7 2700のスペック

Ryzen 7 2700Ryzen 7 1700
コードネームPinnacle RidgeSummit Ridge
CPUアーキテクチャZen+Zen
製造プロセス12nm14nm
コア数88
スレッド数1616
ベースクロック3.2GHz3.0GHz
ブーストクロック4.1GHz3.7GHz
L2キャッシュ4MB4MB
L3キャッシュ16MB16MB
対応メモリDDR4-2933DDR4-2666
TDP65W
対応ソケットSocket AM4
CPUクーラーWraith Spire

なぜ今更Ryzen 7 2700を買ったのか

Ryzen 7 2700は、2018年4月に販売されたCPUであり、2021年現在、Ryzenシリーズは第4世代となる「Ryzen5000シリーズ」が販売されています。アーキテクチャもZen3まで進化しており、シングルスレッド性能が大幅に向上した事により、ゲーム性能においてもトップクラスの性能を有しているCPUです。

では、なぜ今更『Ryzen 7 2700』を買ったのか・・・

それは価格です。

現在「Ryzen 5000シリーズ」は、比較的手頃な『Ryzen 5 5600X』でも約4万円ほどの価格になっており、8コア16スレッドの『Ryzen 7 5800X』の場合は、約5万と結構なお値段。それに加え、「Ryzen 5000シリーズ」は対応チップセットが「AMD 500」及び「AMD 400」のみとなっています。

僕が現在使っているマザーボードは『ASRock Fatal1ty AB350 Gaming-ITX/ac』で、載っているチップセットは「AMD B350」。なので、Ryzen 5000シリーズにする場合はマザーボードも新調しなければいけません。

初代RyzenシリーズはWindows11のインストール要件を満たしていないので、Windows11を諦めるか、いっそのことマザーボードも含めて新調しようかなと考えていた所に、下記のツイートを目にしました。

どこかの眠っていた在庫を処分する為なのか『Ryzen 7 2700』が約1万5000円という激安価格で販売されています。

この価格でRyzen 7 2700が買えるのであれば、マザーボードはそのまま流用でき、Windows11のインストール要件も満たすので、安価なアップグレードパスとしてはかなりアリなんじゃないかと思いました。

残念ながらこの時は購入することは出来ませんでしたが、再入荷予定があるとの事で、ずっとツイッターをチェックしており、再入荷したタイミングですぐに買いに行ったので、無事にゲットすることが出来ました。

Ryzen 7 2700の開封とパッケージ内容

それでは、『Ryzen 7 2700』を開封して、パッケージ内容を確認していきます。

パッケージ

『Ryzen 7 2700』のパッケージ。Ryzenシリーズお馴染みの筆(?)で書いたような丸が特徴的なデザインとなっています。

パッケージ側面にはCPUが見えるようになっています。

パッケージを開けると、中にはドンとCPUクーラーが収められています。

CPUクーラーを取り出し、側面に収められているCPU本体を取り出します。

パッケージ内容

パッケージ内容は、

  • Ryzen 7 2700 本体 1個
  • CPUクーラー(Wraith Max)1個
  • Ryzenステッカー 1枚
  • インストール手順ガイド

となっています。

ブリスターパッケージに収められている『Ryzen 7 2700』本体。

付属するRyzenステッカー。Ryzenマニアの方はどこかに貼ると良いかもしれませんw

『Ryzen 7 2700』の販売当初は「Wraith Spire」というもう少し小さいCPUクーラーが付属していたはずですが、このパッケージに同梱されていたのは「Wraith Max」というAMD純正のCPUクーラーとしては最上位モデルにあたるCPUクーラーでした。

こちら単品で購入しようとすると5〜6千円ほどする製品で、CPUに付属するクーラーとしてはかなり優秀なので、別途クーラーを購入しなくても十分に使えます。

Ryzen 7 2700に入れ替え

それでは、実際にCPUを『Ryzen 7 2700』に入れ替えていきます。

現在使っているWindowsPCは自作したもの。詳しいスペックは以下の通りです。

Windowsマシンスペック
CPUAMD Ryzen 7 1700
CPUクーラーNoctua NH-L9a-AM4
マザーボードASRock Fatal1ty AB350 Gaming-ITX/ac
メモリDDR4-2400 8GB×2
グラフィックボード玄人志向 RD-RX5700XT-E8GB/DF
ストレージINTEL SSD 600p NVMe M.2 512GB
WD Blue 3D NAND SATA WDS100T2B0A 1TB
電源ユニットCorsair SF600 -PLATINUM- 600W
PCケースDan Cases A4-SFX V4
OSWindows10 Pro 64bit
ディスプレイEIZO FlexScan EV2450(1920×1080@60Hz)

ケースは『Dan Cases A4-SFX V4』です。このケースは7.2Lという超小型ながら30cmまでのグラフィックボードを搭載せきるMini-ITXケースとなっています。

Dan Cases A4-SFX V4』は非常に小型なケースですが、メンテナンス性はかなり悪く、何かを入れ替える際には全てのネジを外していく必要があります。

まずはアルミ製の外枠を外します。

ケースの中はこの様な感じ。ケーブル類を収めるのに苦労しました。

CPUを入れ替えるためには、全てのパーツを外してマザーボードを取り出さなければいけません。

グラフィックボードを外しました。グラフィックボードは『玄人志向 RD-RX5700XT-E8GB/DF』です。「Radeon RX 5700 XT」を搭載しながらも2スロット厚なので、『Dan Cases A4-SFX V4』にも問題なく入るグラフィックボードです。

電源を外し、

マザーボードを取り出していきます。

取り出したマザーボード。CPUを取り替えるには、ヒートシンクを外さなければいけません。

マザーボード背面にあるバックプレートを外していきます。

なお、バックプレート上にあるスロットは、M.2スロット。『Intel SSD 600p 512GB』に、長尾製作所のヒートシンクカバーを取り付けています。

バックプレートが外れ、ヒートシンクを無事取り外すことが出来ました。

以前取り付けた時に使ったグリスが残っているので、拭き取っていきます。

グリスが取れ、”RYZEN”の文字が見えるようになりました。

ヒートシンクの方も同様にグリスを拭き取っておきます。

CPUをRyzen 7 2700に入れ替え

CPUを『Ryzen 7 1700』から『Ryzen 7 2700』に入れ替えていきます。

『Ryzen 7 1700』を取り出し、

『Ryzen 7 2700』を取り付け。ほぼ何も変わらないですねw

CPUクーラーを取り付ける前に、グリスを塗っていきます。グリスは以前までは”熊グリス”と呼ばれる『Thermal Grizzly Kryonaut』を使っていましたが、今回からオーバークロッカーで有名な清水貴裕さんがプロデュースした『OC Master(SMZ-01R)』、通称”猫グリス”を使っていきます。

このグリスは”熊グリス”よりも高い熱伝導率「13.2W/m・k」を誇り、「塗りやすくてよく冷える」といった特徴があります。価格も高くないのでグリスの新定番となっている人気の製品です。

グリスの塗り方は諸説ありますが、僕は適当にヘラで伸ばす感じにしています。

ヘラで伸ばしていて気づいたのですが、ちょっとグリスを塗りすぎたみたいです。グリスは厚塗りすると逆に効果が落ちるらしいので、薄く均等に伸ばし、はみ出た分はしっかりと拭き取っておきました。

ヒートシンクを付け、バックプレートで固定してCPUの設置は完了。ここからは取り外したパーツ類をケースの中に戻していきます。

一番苦労するのが電源の設置。使っている電源はSFX電源ユニット『Corsair SF600』。小型なので小さいケースに最適な電源なのですが、それでもケーブルの取り回しは非常に煩雑になります。

電源を取り付けた後は、グラフィックボードを取り付け。『玄人志向 RD-RX5700XT-E8GB/DF』は8ピン×1、6ピン×1の補助電源が必要なので、ケーブルを持ってきます。

何とかケーブルをケースの中に収めた様子。

なお、ケーブルをまとめるのに、昔までは結束バンドを使っていましたが、最近は『3M ワンタッチベルト』を使っています。これは巻きつけるものに合わせて好きな長さにカット出来る上に、接着剤を使っていないので、非常に使い勝手が良いケーブルバンドです。

メモリを取り付け、

CPUファンを取り付ければ完成です。

アルミの外枠を取り付ける前に、ちゃんとWindowsが起動するかどうかを確認します。

問題なくWindowsが立ち上がりました。まぁCPU替えただけなので、立ち上がってもらわないと困るのですがw

最後にアルミ製の外枠を付けて、CPUの換装は無事完了しました。

Ryzen 7 2700のベンチマーク結果

それでは、『Ryzen 7 2700』のベンチマーク結果をいくつか見ていきます。比較対象としては、今まで使っていた『Ryzen 7 1700』になります。

CPU-Z

最初はベンチマークではありませんが、CPU-Zの情報を比較。主な変更点は製造プロセスと動作クロックくらいでしょうか。

CINEBENCH R23

Ryzen 7 1700Ryzen 7 2700
Multi Core78168113
Single Core782878

CINEBENCH R23は、マルチコアのスコアは 7813→8113と約3.8%アップ、シングルコアは約12.3%アップしました。

マルチコアのスコアはそれほど変わりませんでしたが、シングルコアは約12.8%アップと大きく向上しました。基本的なアーキテクチャは同じで主にクロックだけの差しか無いので、そこまで期待していなかったのですが、思った以上に数値は上がったような気がします。

3DMark

Ryzen 7 1700Ryzen 7 2700
グラフィックスのスコア93049424
CPUスコア63637399
Time Spy スコア87009052

3DMarkのTime Spyでの比較です。CPUスコアは6363→7399と約16.3%の向上が見られました。なぜかグラフィックスコアも9304→9424と微増しており、トータルスコアとしては8700→9052と約4%ほどの向上となりました。

PC Mark 10

PC Mark10のスコアは、4772→5165と約8.2%ほどの向上がみられました。それぞれの詳細な数値を見ても満遍なくスコアが向上しているのが分かります。

FF14 暁月のフィナーレ ベンチマーク

Ryzen 7 1700Ryzen 7 2700
1324315163

FF14 暁月のフィナーレ ベンチマークは、13243→15163と約14.5%ほど向上しました。ベンチマークの判定も”とても快適”から”非常に快適”になっており、明らかに向上しているのが分かります。

FF15 ベンチマーク

Ryzen 7 1700Ryzen 7 2700
75058944

FF15 ベンチマークは、7505→8944と約19.2%ほど向上しています。20%近くスコアが向上しているのは凄いですね。

Ryzen 7 2700ならWindows11もインストール可能

10月5日に最新OSである「Windows11」がリリースされましたが、今までよりもインストール要件が厳しくなっており、初代Ryzenを含む古めのCPUは非対応となってしまいました。(一応制限回避してインストールすることは可能)

その点、『Ryzen 7 2700』であれば問題なくインストール要件を満たすことが出来るので、価格にもよりますが、現在初代Ryzenを使っている方で、コストをあまりかけずにWindows11を入れたいという場合、『Ryzen 7 2700』は悪くない選択肢だと思います。

Ryzen 7 2700のまとめ

  • Ryzen 7 2700 のイマイチな点
  • 2021年現在はシングルスレッド性能が大幅に向上したZen3採用のRyzen5000シリーズがある
  • Ryzen 7 2700 の良い点
  • 初代Ryzenと比較して着実な性能向上がみられる
  • Windows11がインストール可能

『Ryzen 7 2700』は、「Zen+」アーキテクチャを採用した第2世代のRyzenCPUです。初代Ryzenと比較して、製造プロセスが14nm→12nmに微細化された事で、ベースクロック・ブーストクロック共に向上しているのが特徴です。

2021年現在は「Zen3」アーキテクチャを採用したRyzen5000シリーズが販売されているので、流石にそれと比較してしまうと力不足感は否めませんが、元々Ryzenシリーズの性能は高いので、ビジネスソフトからゲーム、クリエイティブ系のソフトまで一通りこなしてくれます。

初代Ryzenと比較したベンチマーク結果では、当初数%程度の差しかないものと思っていましたが、中には20%近い伸びを示しているものもあり、意外に数値が伸びていることにも驚きました。

また、初代Ryzenでは対応していない、Windows11のインストール要件を満たしている事も魅力。今回運良く約15,000円という破格で購入する事ができましたが、もしかすると今後も何かスポット的に眠っている在庫が安価で放出されることがあるかもしれません。そういった場合、初代Ryzenからの安価なアップグレードパスとして『Ryzen 7 2700』は魅力的な製品と言えそうです。