
価格が2万円前後と、NASの中では比較的低価格でありながら、クアッドコアのCPUと1GBのメモリを搭載した『QNAP TS-228A』を購入しましたので、本体のデザインやセットアップの様子などをレビューしていきます。
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QNAP TS-228Aとは
ネットワーク上にファイルの置き場所を作り、同じネットワークに属していれば、どの端末からも手軽にアクセスできるNAS(Network Attached Storage)。
QNAPはNAS市場では老舗と言えるメーカーで、そのQNAPが販売している家庭用エントリーモデルのNASが今回購入した『TS-228A』です。
『TS-228A』は2万円前後と、NASとしては手軽に購入できるモデルながら、クアッドコアとDDR4の1GBメモリを搭載し、競合製品と比較してもスペックが高いのが特徴です。
QNAP TS-228Aのスペック
QNAP TS-228A | |
---|---|
CPU | Realtek RTD1295クアッドコア 1.4GHz プロセッサ |
システムメモリ | 1GB DDR4(拡張不可) |
フラッシュメモリ | 4GB(デュアルブートOS保護) |
ドライブベイ | 3.5インチ SATA 6Gb/s × 2 |
LANポート | ギガビットイーサネットポート × 1 |
USBポート | USB 2.0 × 1 USB 3.2 Gen1 × 1 |
本体サイズ | 高さ187.7×幅90×奥行125mm |
重量 | 1.54 kg |
動作温度 | 0〜40℃ |
ストレージ温度 | -20℃ 〜 70℃ |
代理店保証 | 2年間 |
『TS-228A』のスペックは上記の通り。前述の通り「クアッドコアのCPU」と、「DDR4メモリ1GB」を搭載しています。
『TS-228A』は、前モデルである『TS-228』の後継機種ですが、『TS-228』は「デュアルコアのCPU」と「DDR3メモリ1GB」を搭載していた為、基本性能が格段に向上しています。
搭載できるHDDは、3.5インチHDDが最大2台となっています。小規模オフィスレベルであればもっと多くのHDDを搭載出来るモデルが欲しいところですが、家庭用であれば2台搭載できれば十分かと思います。
検討したNAS
Time Machineのバックアップ先なので仕事のデータなどもありますが、そこまで高性能なものは求めておらず2ベイ程度あれば十分で、予算的にも2万円前後で何か無いかと比較検討しました。NASのメーカーで定番なのは「Synology」と「QNAP」の2社で、両社の2万円前後の製品を調べると、「Synology DiskStation DS218j」「QNAP TS-231P」「QNAP TS-228A」辺りが比較対象となります。
QNAP TS-228Aのパッケージや付属品
『QNAP TS-228A』のパッケージや付属品を見ていきます。
パッケージ

パッケージデザインはこのようなもの。

QNAPは台湾のメーカーですが、代理店の2年間保証が付いていますので、何かトラブルが起きたときでも安心できます。
付属品

付属品は、
- QNAP TS-228A 本体 1台
- ACアダプター 1個
- 電源ケーブル 1本
- LANケーブル 1本
- HDD取付用ガイド 1個
- クイックインストールガイド
- QNAP簡単セットアップガイド
以上が付属しています。

クイックインストールガイドは文字での説明はほぼ無いものの、HDDの取り付け方が図で解説されています。ただガイドを見なくてもHDDの取り付け自体は簡単に出来ますので、あまりこのガイドを見る必要は無いかもしれません。


QNAP簡単セットアップガイドは、フルカラーでなおかつ全て日本語で書かれているので非常に分かりやすいです。NASはハードウェアのセッティングは簡単ですが、ソフトウェアの設定が難しいので、こうやって丁寧にガイドが作られているのは非常にユーザー思いだなと感じました。
QNAP TS-228A本体
『QNAP TS-228A』本体を見ていきます。

正面から見た様子です。黒いラインが入っている部分はランプ類と外部ポートがあります。それ以外は目立った装飾も無く、スッキリしています。
横幅も3.5インチHDDが2基入るNASとしてはかなりコンパクトなのが特徴。NASは本体がかなり大きい製品もあるのですが、このくらいコンパクトであれば、どこにでも置いておけそうです。

本体正面下部には、USB3.0ポートがあります。こちらに外部ストレージを接続しQNAPへワンタッチコピーするという機能があります。

本体側面です。QNAPのロゴはありますが凹み加工になっておりあまり目立ちません。こういった製品では珍しくあまり自己主張が強くないのはとても好印象です。

本体上部は緑色です。緑は鮮やかな緑と言うよりはモスグリーンに近い落ち着いた色合いになっています。個人的にはなぜこの色を採用したのかよく分かりませんが、アクセントという事なのでしょうか。また「Quad-Core 1.4GHz」「1GB DDR4 RAM」といったスペック表記のシールが貼ってあります。

背面のインターフェイス周りです。USB2.0が2ポート、ギガビットLANが1ポート、ACアダプタ用のジャックがあります。
QNAP TS-228Aをセットアップ
実際に『QNAP TS-228A』にHDDを取り付けていきます。

本体底面にカバーを外すためのネジがあります。こちらは手で回せるようになっており、ドライバーが不要なのは良いですね。

カバーを外した様子。

SATA3.0(SATA 6Gb/s)の3.5インチHDDが2基搭載出来るようになっています。

今回用意したHDDは、東芝製の3TBHDD『MD04ACA300』
本来ならばNAS用のHDDを用意するべきなのですが、とりあえずということで、余っていたHDDを使うことにしました。
NAS用として評価が高いHDDとしては、Western Digitalの「WD RED」シリーズや、Seageteの「IronWolf」シリーズ辺りでしょうか。お金に余裕があればこの辺りに買い替えたいですね。

HDDの取り付けを進めていきます。取り付け自体は非常に簡単。HDDをNAS本体に差し込んだ後、NASに同梱されていた黒いHDDガイドを左右に付けて固定します。こちらのガイドもはめ込むだけで固定できるので、ドライバーなど工具は不要です。


HDDを取り付け、カバーを付けていきます。HDDの取り付けはドライバーが不要だったこともあり、あっという間に終わりました。
今回はひとまずHDD1台だけで取り付けましたが、2台あっても特に迷うこと無く取り付けは出来ると思います。この辺りの簡便さは、流石NASの老舗であるQNAPの製品といったところでしょうか。

電源に繋いで動作させてみます。
1点気になったのは、付属するACアダプタの大きさと、電源コードの太さです。電力が必要なのである程度大きいものが必要になってくるのは仕方ないのかもしれませんが、本体はコンパクトなので、こういったケーブル類も同じくスリムにして欲しかったなと思いました。

電源を入れ、NASとルーターを接続すればハードウェアとしてのセットアップは完了です。ACアダプタや電源コードは太くて大きいので、全て見えないように配線しています。
本体自体は非常にコンパクトなので、コードさえ隠すことができればスッキリとした印象になると思います。
QNAP TS-228Aの初期設定
ハードウェアのセットアップは以上で終わりましたので、次はソフトウェアの設定をしていきます。ここで必ず必要になるのが専用ソフトである「Qfinder Pro」というソフト。こちらはQNAPのページからダウンロード出来ます。

「Qfinder Pro」をインストールした後に起動すると、自動的に同じネットワークにつながっている『TS-228A』を見つけてくれます。
また、この「Qfinder Pro」から『TS-228A』のファームウェア更新や再起動などの操作も可能です。
無事『TS-228A』が見つかったら、ログインするためのパスワード設定などを行い、初期設定を完了させます。
QTSで全ての設定を行う

『TS-228A』では、QTSというQNAP独自OSが搭載されています。基本はこのQTS上からNASの様々な設定を行います。

HDDの使用状況を確認したり、フォーマットやスナップショット機能なんかもあります。僕はHDD1台で運用していることもあって、全然使いこなせていませんが、本当に何でも出来るという印象です。

共有フォルダーなども簡単に作成可能。我が家はiMacや自作のデスクトップPC、MacBookなど複数のマシンがあるので、どの端末からでも同じデータにアクセスできるというのは、やはり便利です。
最近ではクラウドストレージを使うケースも多いとは思いますが、月額料金がかかってしまう事や容量の少なさなどを考えると、まだまだNASにアドバンテージがあるかなという印象です。
動作音
『QNAP TS-228A』には冷却用のファンが付いていますが、音は非常に静かだと思います。普段過ごしているスペースから離れた所に設置している事もあるのでしょうが、ファンの音が気になったことはありません。
ただ、搭載しているHDDのガリガリというアクセス音は聞こえてきます。まぁこちらは搭載しているHDDがNAS用では無いので、その影響が大きいのかなと思います。
QNAP TS-228Aのまとめ
- QNAP TS-228A のイマイチな点
- ドライブベイが3.5インチ2ベイしかない
- ACアダプタや電源コードが大きい
- QNAP TS-228A の良い点
- クアッドコアのCPUとDDR4 1GBのメモリを搭載して基本性能が高い
- NASには珍しいスッキリとしたデザイン
- 本体サイズがコンパクト
- 動作音が静か
『QNAP TS-228A』は、2万円ほどの金額で購入できるNASで、「クアッドコアのCPU」と「DDR4 1GBのメモリ」を搭載し、競合他社の製品と比較してもスペック的に高いNASです。
NASは一般的にゴツい見た目の製品が多い中、シンプルでスッキリとしたデザインを採用し、本体サイズもコンパクトなので、設置場所に困ることも少なそうです。
ドライブベイが2ベイしかなく、電源アダプタやコードが太いといった気になる点もありますが、家庭用として使う分にはドライブベイの少なさは大きな問題にはならなさそう。
最近ではスマートフォンで写真や動画を撮る機会も増え、そのデータをどこに保存しておくかで悩ましいという家庭も多いと思います。特に子供が居る家庭は写真や動画の量も半端なく多くなるので、そのためのデータ保存場所として『QNAP TS-228A』の様なNASが1台あると何かと便利だと思います。