
ニンテンドースイッチは携帯用として持ち運んで使うことや、TVに繋げて大画面で遊ぶことが多いと思いますが、いつも使っているノートPCにスイッチの画面を映せたらいいのになと思った事は無いでしょうか?そんな欲求に答えてくれるのが、今回紹介する『GENKI Shadowcast』です。
この製品は、
- 超小型・軽量なので、どこでも持ち運べ使える
- USB-CポートしかないノートPCにも映像を映せる
- 専用アプリを使うことで低遅延を実現
といった特徴があります。実際にスイッチとノートPC(MacBook)で使った様子などをレビューしていきます。
本記事はメーカー様からサンプル品を頂戴し、作成しています。
タップできる目次
GENKI Shadowcastとは?
『GENKI Shadowcast』は、HDMIからの入力信号をUSB-Cから出力できるデバイスで、いわゆる「HDMIキャプチャカード(ユニット)」と呼ばれるような製品にあたります。
デバイス自体はUVC(USB Video Class)として認識されるので、WindowsでもMacでも動き、OBS(Open Broadcaster Software)やQuickTimeなどを使って映像を取り込むことが可能。
一般的なHDMIキャプチャカードと大きく異なる点が、専用アプリ「Genki Arcade」の存在。一般的にはHDMIキャプチャカードを使った場合、遅延がかなり大きいのですが、専用アプリ「Genki Arcade」を使うことにより、低遅延を実現し、ノートPCなどに映像を出力した際にも遜色ないゲームプレイを可能にしています。
「GENKI」ブランドについて
GENKIブランドの開発を手掛けるのは、2017年にアメリカにて設立された「Human Things, Inc」。2019年にリリースされた超小型Switchドック『GENKI Dock』は、米クラウドファンディングサイト「Kickstarter」にて最高の賞「Best of Kickstarter」を受賞しています。
日本国内でもクラウドファンディングサイト「Makuake」において、目標金額50万円に対し13,936%となる6,900万円を超える支援金を集めるなど、国内外問わず非常に注目を集める製品を作っています。
『GENKI Dock』は、以前僕もレビューしましたので、よろしければご覧ください。
スペック
GENKI Shadowcast | |
---|---|
HDMI出力 | 4K/30fps または 1080p/60fps |
USB入力 | 最大1080p/30fps または 720p/60fps |
対応ソフトウェア | Windows、MacOS、Androidの全てのUVCソフトウェア |
電源 | 外部電源不要(USBポートから取得、0.4A/5V DC) |
動作温度範囲 | -10〜55℃ |
サイズ | 約52×25×9mm |
重量 | 10g |
システム要求 | CPU:i5-3400以上 または i7-3537U 2.0GHz以上 GPU:NVIDIA GT630以上 または NVIDIA GT735M以上 メモリ:4GB |
『GENKI Shadowcast』は映像入力自体は4kに対応していますが、最大出力は1080p/30fpsになります。
GENKI Shadowcastの開封と本体外観
『GENKI Shadowcast』を開封してパッケージ内容や本体外観・サイズ感を見ていきます。
なお注意点としてこちらは海外販売用のサンプル品であり、日本国内で販売されるものとはデザインなどが異なる可能性がありますので、予めご了承ください。


『GENKI Shadowcast』のパッケージはコンパクトなサイズ感。
パッケージ内容

- GENKI Shadowcast 本体 1台
- USB Type-Cケーブル(USB2.0・1.8m)1本
- マニュアル(日本語対応済み)
- ステッカー 1枚
- USB Type-C to A 変換アダプター(日本市場向け)
パッケージ内容は上記の通り。

忍者のキャラで描かれた注意書き

GENKIのロゴマークが入ったステッカー

日本発売前の製品ながら、マニュアルは日本語の表記もありました。

付属のUSB-Cケーブルです。コネクタの形状はUSB-Cですが、USBの仕様としてはUSB2.0となっています。
長さは1.8mと十分な長さがあるので、ケーブルが届かないという心配は無さそう。またケーブルは布巻きケーブルとなっているので、手触りが良く、耐久性も高そう。

USBケーブルは片方がL字型となっています。ノートPCなどと接続する時には使い勝手が良さそうです。
※サンプル品の為、付属していませんが日本向けのShadowCastの場合、USB-C to A変換アダプターが同梱すると、メーカーの方から教えて頂きました。
USB-Aポートしか無いノートパソコンでも問題なく使えます。ちゃんと日本市場に合わせてくれるのは嬉しいですね!
本体外観・サイズ感
『GENKI Shadowcast』本体の外観やサイズ感を見ていきます。

本体は非常にコンパクトで軽いものとなっています。

映像はこちらのHDMI端子から入力し、

反対側にあるUSB-Cポートから出力します。

本体重量は実測で「9.2g」でした。実際持ってみても非常に軽く、持ち運びしやすいと感じました。

本体サイズは「約52×25×9mm」となっており、親指くらいのサイズ感。比較として、僕の持っているiPhone12miniと並べてみましたが、圧倒的にコンパクトなのが分かります。
GENKI Shadowcastを使い、スイッチとノートPCに繋げてみます
実際に『GENKI Shadowcast』を使って、スイッチからノートPC(12インチMacBook)へと接続してみます。

スイッチドックの背面にある「HDMI OUT」の部分に『GENKI Shadowcast』を直接差し込みます。

『GENKI Shadowcast』は、本体が非常に小さいので、スイッチドックの中に収まり、他のケーブルに干渉することもありません。

あとは、『GENKI Shadowcast』からUSB-Cケーブルを使い、接続したいデバイスへと繋げます。

12インチMacBookに繋げてみました。
一般的なキャプチャデバイスの場合、ゲーム機からHDMIケーブルを伸ばしてきてキャプチャデバイスと接続し、キャプチャデバイス本体をPCに挿すという形が多いと思います。
しかし『GENKI Shadowcast』の場合は、キャプチャデバイス本体をゲーム機に直接繋げ、そこからUSB-CケーブルによってPCまで接続するという、一般的なキャプチャデバイスと接続の仕方が異なっているので、最近のMacBookみたいに、USB-Cポートしか備えていないノートPCや、Androidなどでも問題無く接続できます。
専用アプリ「Genki Arcade」をダウンロード
『GENKI Shadowcast』はUVCデバイスとして認識されるので、このままOBSやQuickTimeなどのUVC対応ソフトウェアに出力することも可能ですが、『GENKI Shadowcast』最大の特徴である「低遅延」を実現するためには、専用アプリ「Genki Arcade」が必要になります。

「Genki Arcade」は、公式サイトよりダウンロードすることが可能。Macの他にWindowsとChrome版もあり、Chrome版の場合はブラウザから利用することも可能となっています。
今回は「Mac版」を選択しました。

App Storeから「Genki Arcade」をダウンロードとインストールします。

無事、スイッチの映像を映す事ができました。

左上の設定メニューからは、解像度などが変更可能です。
用意されている設定は「Favor Performance(1280×720@60fps)」と「Favor Resolution(1920×1080@30fps)」が用意されており、デフォルトは「Favor Preformance」が選ばれていました。
1280×720の解像度なので、画質はやはりボケて眠い印象です。

「Favor Resolution」の方を選択してみました。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、フルHD画質になったので、文字などがクッキリと表示されるようになりました。
この画質だったら特に不満も無く遊べそうです。
KONAMIコマンドで解像度とフレームレートを細かく選択可能

デフォルトでは「Favor Performance」と「Favor Resolution」のどちらかしか選択出来ない、解像度とフレームレートですが、アプリを使っている最中に「↑↑↓↓←→←→BA」と入力すると、解像度とフレームレートを細かく選ぶことが出来ます。
いわゆる「KONAMIコマンド」を使うことによって、隠された設定が現れるって、開発している人は本当にゲームが好きなんだなと思います。
しかし、今時「KONAMIコマンド」知っている人ってどのくらいいるんでしょうか、、、僕も含めたオジサンしか知らないような気がしますw
フレームレート・遅延はどうか?

実際にMacBookに映像を出力して、「スプラトゥーン2」を少し遊んでみました。「Genki Arcade」の設定はKONAMIコマンドを使って設定した「1920×1080@60fps」にしています。
少し遊んでみて、個人的に感じたのは「遊べなくはない」と思いました。
特に遅延に関しては結構少ない様に感じます。シビアな戦いになってくると、気になる部分もあるのかもしれませんが、僕がプレイした範囲では、十分にストレス無くプレイ出来ました。
画質に関しては「1920×1080」に設定しているだけあって、かなり綺麗。普通にHDMIケーブルから出力させたものとほぼ変わらない気がしました。
反面、フレームレートの方は「60fps」に設定していますが、60fpsは出ていません。「1920×1080@30fps」と「1920×1080@60fps」を切り替えて使ってみましたが、そこまで差は感じられませんでした。
カタログスペックでは1920×1080の場合30fpsが上限との事なので、設定は出来てもカタログスペック以上には出せないのかもしれません。
ノートPCへの負荷

MacOSの「アクティビティモニタ」で、PCへの負荷を見てみました。「Genki Arcade」の負荷は、大体30〜40%ほどかかっているようです。
僕が使っている「12インチ MacBook」はそもそもスペックが低いので、それなりの負荷がかかっているようです。ただ、これだけ負荷がかかっていてもゲームプレイ自体は問題はありません。
マイクから音声を取り込める

「Genki Arcade」では、画面のキャプチャや録画はもちろん可能ですが、接続したマイクから音声を取り込むことが出来ます。これにより、簡単にゲーム映像と音声を取り込めるので、Youtubeなどによくある「ゲーム実況動画」をこのアプリだけで簡単に作ることが可能となっています。
複雑な設定等を必要としないので、ゲーム実況動画を初めてみたいという人の入門用デバイスとしてはかなり良いのでは無いかと思います。

GENKI Shadowcastのレビューまとめ
- GENKI Shadowcast のイマイチな点
- 最大フルHDまでの解像度なので4Kは非対応
- フルHDだと60fpsは出ない
- GENKI Shadowcast の良い点
- 超コンパクトサイズで、スイッチドッグの中にそのまま入る
- 別途電源を必要としない
- 遅延が少なく、タイミングがシビアなゲームじゃなければ遊べそう
- 映像のキャプチャに加え、音声入力も出来るので、簡単にゲーム実況動画が作れる
- 価格が安い
『GENKI Shadowcast』は、超小型サイズなので、スイッチドッグの中にそのまま差し込んで使える、優れたキャプチャデバイスです。
電源を別途必要としないので、色んな場所で使うことが出来ます。
専用アプリを使う必要があるものの、実際のゲームでは遅延をあまり気にせずプレイすることができ、またアプリで簡単に映像と音声を収録できるので、ゲームプレイ実況動画の撮影も『GENKI Shadowcast』1つあれば簡単に環境が構築できてしまいます。
フルHDの場合60fps出ないのはちょっと残念ですが、価格も安いので、ゲームプレイ実況動画を取りたい方なんかは、まずは『GENKI Shadowcast』を一つ用意して試してみるというのは良い選択肢の様に思いました。
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