
2021年5月26日に、Amazonのタブレット端末である『Fire HD 10』シリーズの最新モデル第11世代『Fire HD 10』『Fire HD 10 Plus』が発売となりました。
こちらは前世代機と比較して、メモリ量が増えている他、ディスプレイの明るさが10%アップ、本体の薄さが7%薄く、重量が8%軽くなるなど、全体的に改良が加えられ、完成度の高いタブレット端末となっています。
先日行われたAmazonの一大セールである「プライムデー」で、早くも新型『Fire HD 10』シリーズが安くなっていたので、上位機種である『Fire HD 10 Plus』を購入しました。セットアップの様子やベンチマーク結果などを交えてレビューしています。
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Fire HD 10 Plusとは

Amazonが販売しているタブレットです。Fireタブレットは、「Fire 7」「Fire HD 8」「Fire HD 10」と、ディスプレイサイズによって種類が分かれており、その中でも「Fire HD 10」シリーズは、Fire HDシリーズ最大の10.1インチのディスプレイを搭載しています。
「Fire HD 10」シリーズは、1万円台から購入できるなど、その価格の安さが魅力的でしたが、2GBというメモリ容量の少なさによる、処理スピードの遅さなど、性能的にはイマイチといった印象でした。
今回新しく第11世代として登場した『Fire HD 10』シリーズは、前モデルのメモリの少なさという弱点を解消し、『Fire HD 10』ならメモリ容量が3GB、最上位機種である『Fire HD 10 Plus』であれば、メモリ容量が4GBへとアップしています。
Fire HD 10 Plusのスペック
第11世代となった『Fire HD 10』シリーズのスペックを、前モデルである第9世代「Fire HD 10」と比較してみます。
Fire HD 10 Plus(第11世代) | FIre HD 10(第11世代) | Fire HD 10(第9世代) | |
---|---|---|---|
画面サイズ | 10.1インチ | ||
画面解像度 | IPS方式 1920×1200px | ||
SoC | MediaTek MT8183 | ||
CPU | ARM Cortex-A73 (2.0 GHz)x4 ARM Cortex-A53 (2.0 GHz)x4 | ||
GPU | ARM Mali-G72 MP3 GPU | ||
メモリ | 4GB | 3GB | 2GB |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac (デュアルバンド) | ||
Bluetooth | 5.0 LE | 4.2 LE | |
前面カメラ | 200万画素 | ||
背面カメラ | 500万画素 | 200万画素 | |
ストレージ容量 | 32/64GB | ||
マイクロSD サポート容量 | 1TB | 512GB | |
USB端子 | USB-C(USB2.0) | ||
バッテリー | 最大12時間 | ||
ワイヤレス充電 | ○ | − | − |
本体サイズ | 247×166×9.2mm | 262×159×9.8mm | |
重量 | 468g | 465g | 504g |
本体カラー | スレート | ブラック/デニム/オリーブ | ブラック/ブルー/ホワイト |
発売日 | 2021年5月26日 | 2019年10月30日 | |
価格 | 32GB:18,980円 64GB:22,980円 | 32GB:15,980円 64GB:19,980円 | 32GB:15,980円 64GB:19,980円 |
スペックを比較していくと、CPUやGPU、ディスプレイの解像度などは第9世代から変更がありません。
ただ、大きな違いとしては、前述のとおりメモリ量。前モデルである第9世代と比較して『Fire HD 10』では1.5倍、『Fire HD 10 Plus』では2倍のメモリ量を搭載しています。
また、第11世代の『Fire HD 10』シリーズは、カメラ位置の変更など、本体のデザインが刷新された事により、ディスプレイの大きさは変わらずに、本体サイズが小さくなり、本体重量が40gほど軽量化されている点も見逃せないポイント。
Fire HD 10 と Fire HD 10 Plusの違い
第11世代となったFire HD 10には、『Fire HD 10』と『Fire HD 10 Plus』の2種類が販売されています。この2つの違いはどこにあるのかを、もう少し詳しく見ていきます。
Fire HD 10 Plus(第11世代) | FIre HD 10(第11世代) | |
---|---|---|
メモリ | 4GB | 3GB |
ワイヤレス充電 | ○ | − |
重量 | 468g | 465g |
本体カラー | スレート | ブラック/デニム/オリーブ |
価格 | 32GB:18,980円 64GB:22,980円 | 32GB:15,980円 64GB:19,980円 |
スペック表より、両者の違いのある部分だけを抜き出してみました。
一番大きな違いは「メモリ量」。『Fire HD 10』が3GBであるのに対し、『Fire HD 10 Plus』は4GBとより多くのメモリを積んでいます。これにより、複数のアプリを立ち上げた際の快適さが向上しますが、基本的にCPUは一緒なので、そこまでの違いは無いものと思います。
また『Fire HD 10 Plus』では、ワイヤレス充電に対応しています。ただ、ワイヤレス充電専用のスタンドが製品の不具合によりずっと販売停止している状態なので、現状あまりメリットが無いのが残念な所。
Fire HD 10 Plusを開封して付属品を確認
それでは『Fire HD 10 Plus』を開封して付属品を確認していきます。

パッケージはAmazonデバイスお馴染みのオレンジカラー。

今回購入したのはメモリを4GB搭載する『Fire HD 10 Plus』。「ワイヤレス充電」や「4GB RAM」という記載があります。

パッケージ背面には、製品の特徴が羅列されています。

パッケージを開封。

『Fire HD 10 Plus』本体と、付属品類が収められています。Amazonデバイス全般に言えることですが、パッケージ自体に豪華さとかはあまりなく、最低限の簡素なパッケージなのが特徴です。こういった部分でコストを削減することによって、安い価格を実現しているようです。

付属品類はこの中に全て収められています。Amazonロゴの切り抜きがアクセントになってますね。
付属品類

- Fire HD 10 Plus 本体 1台
- 充電アダプタ 1台
- 充電用USB-C(USB2.0)ケーブル 1本
- 取扱説明書
- 重要事項説明書
付属品類は上記の通りです。

取扱説明書類は、色んな言語での記載がありますが、しっかりと日本語の記載もあります。

付属する電源アダプタ。

電源アダプタの端子はUSB-A端子となっています。

出力は9Wとなっています。出力のワット数に対してちょっと電源アダプタのサイズは大きめの様に思います。

付属してくるUSB-A to USB-Cケーブル。USBの形状はType-Cですが、USBの規格としては2.0止まりです。
Fire HD 10 Plusの本体
それでは『Fire HD 10 Plus』本体を見ていきます。

第11世代の『Fire HD 10』シリーズは、内蔵カメラの位置が変更され、端末中央になりました。
これにより上下左右のベゼル幅が均等になり、ディスプレイサイズは10.1インチのまま、縦幅が小さくなりました。また、端末の重量も約40gほど軽量化されており、タブレット端末としての完成度が上がったなという印象です。

『Fire HD 10 Plus』の本体カラーは「スレート」の1色のみの展開。色味としては落ち着いたグレーという印象。
本体はマットなラバー素材を採用。前モデルはいかにもプラスチックな素材だったので、それほど質感が良くありませんでしたが、比較すると格段に質感が良くなったように思います。

端末右側には、インターフェイス類やボタンなどがまとめられています。
写真左から、
- 3.5mmジャック
- 充電用USB-C端子
- マイク穴
- 電源ボタン
- 音量調整ボタン
と並んでいます。

背面カメラは前モデルまでが200万画素だったのに対し、500万画素へとパワーアップしています。

本体の重量は、実測で468.6g。前モデルが500gを超えていたのに対し、40gも軽くなっています。
Fire HD 10 PlusをFire HD 10(第7世代)と比較
今回購入した『Fire HD 10 Plus』を前モデルと比較してみます。
本当言えば、『Fire HD 10(第9世代)』と比較するべきなのですが、僕が持っているのが2世代前の『Fire HD 10(第7世代)』なので、そちらと比較することをご了承ください。
ただ、『Fire HD 10(第9世代)』と『Fire HD 10(第7世代)』は、スペックは異なるものの外観は一緒なはずなので、本体の見た目やサイズ感などは参考になるかなと思います。
本体の比較

『Fire HD 10 Plus』と『Fire HD 10(第7世代)』を並べて分かるのが本体の大きさの違い。どちらもディスプレイサイズは10.1インチですが、カメラの位置が変更されたことによって、縦幅が短くなり、コンパクトになっています。

重ねてみた様子。縦幅は短くなりましたが、その分若干横幅が長くなっているのが分かります。
個人的には、前モデルの『Fire HD 10(第7世代)』は縦長過ぎて、ちょっと持ちにくいなと感じていたので、今回の『Fire HD 10 Plus』の方が縦横のバランスが良く、持ちやすい印象を受けました。

背面はこのような感じ。「Fire HD 10(第7世代)」はプラスチック素材なので、あまり質感は良くなく、手の脂なんかが目立ちます。『Fire HD 10 Plus』は、マットなラバー素材になっているので、滑りにくく質感も上々。

ボタン類は結構配置が変わっています。個人的には電源ボタンは旧モデルの様に音量調整ボタンと離れた位置のほうが良いような気もしていますが、慣れの問題かもしれません。

「Fire HD 10」はステレオスピーカーを搭載していますが、『Fire HD 10 Plus』はスピーカー穴の数が多くなっています。実際に音を比較してみると、『Fire HD 10 Plus』の方がよりクリアで音質が良くなっている気がします。
もちろんタブレット付属のスピーカーなので絶対的な音質としては良くないもの、ちょっとした映画やYoutube程度であればそこまで不満は感じないと思います。
ディスプレイの比較

『Fire HD 10 Plus』は、ディスプレイの明るさも前モデルと比較して10%ほど明るくなっています。
実際に『Fire HD 10(第7世代)』と『Fire HD 10 Plus』で、ディスプレイの明るさを共に最大にして、同じ画像を表示して比較してみましたが、明らかに『Fire HD 10 Plus』の方が明るいのが分かります。
また、前モデルである『Fire HD 10(第7世代)』は、どうもディスプレイが黄みがかっているように見えるのに対し、『Fire HD 10 Plus』は白が鮮やかでハッキリとした画になっています。
ディスプレイサイズや解像度は一緒ですが、ディスプレイの表示品質はかなり向上していると言えそうです。
Fire HD 10 Plusの使い方と使用レビュー
それでは『Fire HD 10 Plus』を使っていきますが、まずは初期セットアップから進めます。



『Fire HD 10 Plus』を購入する際に「簡単セットアップ」を有効にしていると、購入時のAmazonアカウントが設定された状態で届きます。
Wi-FiのパスワードをAmazonで保存してある場合、パスワードの入力をすることなく、いつも使っているWi-Fiに繋いでくれるので、あっという間にセットアップが完了します。

一通りセットアップが完了すると、システムアップデートがある場合、アップデートします。

システムアップデート後は、ホーム画面が表示されすぐに使えるようになりました。
Fireタブレットは、Amazon純正のタブレットなだけあって、Amazonのサービスが使いやすいようになっています。初期段階から「プライム・ビデオ」や「Kindle」「Amazon Music」などのアプリが入っており、Amazonのサービスを使っている方なら簡単に各サービスにアクセスできるので使い勝手が良いです。
ただ、このFireタブレットに搭載されているOSは、AndroidをベースとしたAmazon独自の「FireOS」となっており、GooglePlayを使うことが出来ません。そのため、他のアプリはAmazonのアプリストアからダウンロードすることになります。
色々とやればGooglePlayを使うようにすることも出来るのですが、公式ツールでは無いので、自己責任で行う必要があります。(やり方はググってみてください)
実際に使ってみた感想
僕が持っていたのが『Fire HD 10(第7世代)』だった事もあり、全体的な速度がかなり向上しているのがハッキリと分かります。ブラウザで何か検索する際も、Youtubeで動画を見る際も、明らかに反応速度が早く、サクサクと動くようになっています。
流石に「ゲームプレイ」や「動画編集」など高い処理性能が必要な作業は難しいですが、「本を読む」「動画を見る」「何かを調べる」などの基本的な作業であればストレス無く使いこなせると思います。
Fire HD 10 Plusのベンチマーク結果
Geekbench3
『Fire HD 10(第7世代)』と『Fire HD 10 Plus』の性能差を、ベンチマークソフト「Geekbench3」を使って比較してみます。


『Fire HD 10(第7世代)』と比較すると、シングルコアのスコアは1.1倍ほど、マルチコアのスコアは2.2倍ほどとなっています。
ただ、これはあくまでCPU性能の低い『Fire HD 10(第7世代)』と比較してという結果になります。CPUは『Fire HD 10(第9世代)』で刷新されているので、『Fire HD 10(第9世代)』と『Fire HD 10 Plus』だと、そこまでベンチマークの差は無いように思われます。
キーボード付きカバーを使うとノートパソコンの様な使い方ができる

今回『Fire HD 10(第11世代)』では、キーボード付きカバーを使うことで、ノートパソコンの様な使い勝手が出来るのも一つの特徴です。
「Fire HD 10 Plus」+「キーボード付きカバー」+「Microsoft 365 Personal 1年版」がセットになった、『Fire HD 10 Plus エッセンシャルセット』という、オフィス用途として使ってみたい方に最適なセットも販売されています。
ただ、この「キーボード付きカバー」イマイチ評判が良くありません。
レビューを眺めていると、キーボード付きカバーを付けると、総重量が1kgを超えてしまい、持ち運びにくくなるという点と、キー配列があまり良くないという点があまり良い評価をされていない点でした。
キーボード付きカバーの購入を検討している方は、一度Amazonのレビューを眺めてみる事をオススメします。
僕個人としても、あまり『Fire HD 10 Plus』でオフィス作業をしたいと思う場面が思い浮かばなかったので、今回キーボードの購入は見送りました。
Fire HD 10 Plusはワイヤレス充電に対応なのだが・・・

『Fire HD 10 Plus』は、ワイヤレス充電に対応しています。”Plus”が付かない『Fire Hd 10』はワイヤレス充電に非対応なので、『Fire HD 10 Plus』ならではのアドバンテージと呼べる点です。
ただ、『Fire HD 10 Plus』用に販売されていた『Fire HD 10 Plus用 ワイヤレス充電スタンド』ですが、どうやら不具合があるらしく、販売当初から「接触が悪くて充電出来ない」「充電しては切れ、また充電を始めては切れるを繰り返す」といった意見が散見されました。
そのためか、現在は販売を停止しており、その後再販される気配もありません。
この『Fire HD 10 Plus用 ワイヤレス充電スタンド』の製造元はAnkerですが、Ankerのサイトでも特にアナウンスが無く、このままひっそりと無かったことになりそうな予感です。
”Plus”ならでは数少ないアドバンテージがワイヤレス充電だったので、残念ですね。
Fire HD 10 Plusのまとめ

- Fire HD 10 Plus のイマイチな点
- 第9世代の「Fire HD 10」と比較するとCPUは変わっていない
- 目玉の1つだったワイヤレス充電が使えない
- OSがAmazon独自のFireOSなので、GooglePlayが(基本的には)入れられない
- Fire HD 10 Plus の良い点
- カメラの位置が変更された事により、全体的にコンパクトになった
- 重量が40gほど軽量化され、持ちやすくなった
- 「Fire HD 10」であれば3GB、「Fire HD 10 Plus」であれば4GBのメモリを搭載している
- 価格が19,980円(32GB)と安く、セールによって更に割り引かれる
第11世代『Fire HD 10』シリーズは、前世代機の大きな欠点であったメモリ量不足という問題を解消し、『Fire HD 10』なら3GB、『Fire HD 10 Plus』なら4GBのメモリを積むようになりました。
また、ディスプレイの明るさが向上し、より鮮やかになった上に、前世代機よりも薄くて軽くなっているなど、タブレットとしての基本性能を大きく向上させています。
価格も2万円以下で購入でき、セール時には更に大きく値引きされ1万円台前半で購入できるなどコスパで考えてるとこれ以上優れたタブレットは他には無いと思います。
元々のCPU性能はそれほど高くないため、「ゲームプレイ」などにはあまり向きませんが、それ以外の用途であればこれで不満を感じることはあまり無い、オススメのタブレットです。