
近年ではノートPCやタブレット、スマートフォンなど、USBから充電するようなデバイスが急増しています。そこで必ず必要になってくるのが「USB電源アダプタ」です。基本的には製品を購入すると付属してきますが、付属してくるUSB電源アダプタは「サイズが大きい」「出力が小さい」など、性能としてはそこそこなものが大半です。
そこで、今回は「ゴルフボールほどのサイズなのに30Wの出力が可能」な、本体サイズが小さいのに出力が大きいというワガママを実現した超小型USB電源アダプタ『Anker PowerPort Atom PD1』をレビューしていきます。
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Anker PowerPort Atom PD1とは
モバイルバッテリーやUSB電源アダプタなどを数多く販売しているAnkerから発売されている、USB-C電源アダプタです。
最大の特徴は「ゴルフボールほどの大きさながら、最大30Wの出力が可能」という点。一般的なノートPCに付属している充電器と比較して、約40%も小さいのに出力は同等以上となっています。

これだけの小型なサイズを実現できたのは、『Anker PowerPort Atom PD1』の素材として「窒化ガリウム(GaN)」を採用した点にあります。
「窒化ガリウム」とは、今まで主に人工衛星やレーダーなどの産業用機械に採用されてきた素材で、一般的に充電器に使われるシリコン(Si)素材よりも、電力の損失が少なく、エネルギー効率に優れ、低発熱といった特徴があります。
今回Ankerは、充電器で初めてこの「窒化ガリウム」を採用し、今までよりもコンパクトなのにフルスピード充電できるUSB電源アダプタを開発することに成功しました。
発表当初は、各種ネットメディアがこぞって取り上げるなど高い注目を集め、販売当初は一瞬で在庫がなくなるなど、非常に話題を呼んだのがこの『Anker PowerPort Atom PD1』です。
スペック
Anker PowerPort Atom PD1 | |
---|---|
入力 | 100-240V=1.2A 50-60Hz |
出力 | 5=3A/9=3A/15=2A/20V=1.5A(最大30W) |
USBポート | USB PD対応 USB-C 1ポート |
サイズ | 約35×41×55mm |
重量 | 約53g |
メーカー保証 | 18ヶ月+6ヶ月(Anker会員登録特典) |
『Anker PowerPort Atom PD1』のスペックは上記の通り。サイズはゴルフボールくらいのサイズで、重量が53gと軽量なのが特徴です。また、出力はUSB-Cが1ポート。USB PD対応で最大30Wまでの出力に対応します。
Anker PowerPort Atom PD1の開封と本体外観
『Anker PowerPort Atom PD1』を開封し、パッケージ内容や本体外観・サイズ感を確認していきます。


Ankerらしいブルーが映えるパッケージデザインです。パッケージの表記は英語ですが、特に使うのが難しい製品でも無いので、問題ありません。

パッケージを開けると、このような感じで充電器本体が収納されています。Anker製品はこの白い保護シートみたいなもので製品が包まれていますが、このシートの質感が良くて、個人的に好きです。
パッケージ内容

- Anker PowerPort Atom PD1 本体 1台
- 取扱説明書
パッケージ内容は、上記の通りです。
本体外観・サイズ感
『Anker PowerPort Atom PD1』本体の外観やサイズ感を見ていきます。

本体の大きさは、約35×41×55mmとゴルフボールくらいの大きさ。製品の側面には細かい仕様が記載されています。PSEマークもちゃんと取得されており、日本国内で安心して使うことが可能。
また、小型のサイズを実現するためなのか、コンセントプラグ部分は折りたたむことは出来ません。持ち運びの際にはプラグが折り畳めると嬉しいのですが、この点はちょっと残念。

出力のUSBポート部分です。端子の形状はUSB-C。USB PDに対応しており最大30Wの出力が可能です。
30Wまで出力出来るので、ある程度薄型のノートPCくらいであればフルスピード充電が可能です。ちょっと残念なのはポートが1ポートしかなく、複数デバイスの同時充電は出来ないという点でしょうか。

本体の重量は、実測で54.5gとなっています。スペックよりは多少重いですが、誤差の範囲かなと思います。
Anker PowerPort Atom PD1の給電能力
USBチェッカーを使い『Anker PowerPort Atom PD1』の給電能力を確認していきます。

今回は『Anker PowerPort Atom PD1』とMacBookを接続し、チェックしていきます。

28.897Wと、30Wに近いスペック通りの急速充電が出来ていることが分かります。
実際にバッテリーは、1時間の充電で、22%だったバッテリーが83%まで充電できました。
これは『Apple純正電源アダプタ(29W)』と比較しても同等以上なので、充電性能については問題無さそうです。
充電中の発熱については、本体に触れてみても「温かい」と感じる程度だったので、「窒化ガリウム」の低発熱という特徴が現れているようです。
Anker PowerPort Atom PD1とApple純正電源アダプタ(29W)と比較
『Anker PowerPort Atom PD1』と、『12インチMacBook』を購入した時に付属してきた『Apple純正電源アダプタ(29W)』とを比較していきます。
なお、Apple純正電源アダプタは、12インチMacBookの後期モデルであればサイズはそのままに30Wの出力まで対応したものに差し替わっていますが、僕が購入した当時は29Wのものだったので、それと比較することを予めご了承ください。
本体サイズ

本体サイズは、
- Anker PowerPort Atom PD1:約35×41×55mm
- Apple純正電源アダプタ(29W):約56×55×27mm
となっており『Apple純正電源アダプタ』よりも一回り小さいのが分かります。

縦横の大きさに関しては『Anker PowerPort Atom PD1』の方が小さいのですが、厚さに関しては『Apple純正電源アダプタ』の方が薄いのが分かります。
また『Apple純正電源アダプタ』はコンセントプラグ部分が折り畳めるのに対し、『Anker PowerPort Atom PD1』はプラグが折り畳めないので、この点は明確に劣ってしまっているポイントです。

コンセントに実際に指してみた様子。こうしてみると随分とサイズ感が違うのが分かります。「コンセントプラグが折り畳めないのが明確にデメリット」としましたが、コンセントに挿しっぱなしにしておくという場合は、そのデメリットは問題無くなります。
持ち運ぶのではなく、いつも固定な場所で使う場合、このサイズ感の違いは結構大きい気がします。
Anker PowerPort Atom PD1を外出先で使用
『Anker PowerPort Atom PD1』を外で使った時にどうなるかを実際に電源が使えるカフェにて検証してみました。

見た感じ、ちょっと大きめのスマートフォン充電器かなと思うくらいのサイズ感になっています。このくらいのサイズであれば、外出先で使ったとしてもそれほど目立たないような気がします。

『Apple純正電源アダプタ』も持っていたので、こちらも使ってみました。やはり先程と比較するとサイズ感が大きく、明らかに目立っています。電源アダプタが大きいと、他の人と干渉してしまう事もあるため、出来る限り外出先には小さいものを持っていきたいなと感じました。
Anker PowerPort Atom PD1のレビューまとめ
- Anker PowerPort Atom PD1 のイマイチな点
- USBが1ポートしか無い
- コンセントプラグが折り畳めない
- Anker PowerPort Atom PD1 の良い点
- ゴルフボール程度のサイズながら30Wの出力が出来る
- 窒化ガリウム採用で低発熱
『Anker PowerPort Atom PD1』は、超小型なサイズながらUSB PDに対応し、最大30Wの出力ができる電源アダプタです。
実際の充電能力も問題なく、Apple純正電源アダプタと比較しても同等以上のスピードで充電してくれ、充電中の発熱も少ないなど、「窒化ガリウム」という新しい素材を使ったメリットが十分に現れている優れた電源アダプタと言えます。
コンセントプラグが折り畳めないなど気になる点もありますが、それでもこのサイズ感は他の一般的な電源アダプタと一線を画するものとなっています。
ノートPCやタブレットなどに、ゴツい電源アダプタを使っているという方は『Anker PowerPort Atom PD1』を検討してみてはいかがでしょうか。