
昨今のテレワークの広がりによって、Web会議などの機会も増えています。そんなWeb会議の快適さを大幅に向上させてくれるのが、AfterShokzから販売されている『AfterShokz OpenComm』です。
この製品は、
- 耳を塞がない「骨伝導」方式を採用したヘッドセット
- 33gと軽量で、フィット感が良く付け心地が非常に良い
- ノイズキャンセリング機能付きのブームマイクを備え、クリアな通話が可能
といった特徴があります。使い勝手や音質面などを詳しくレビューしていきます。
本記事はメーカー様からサンプル品を頂戴し、作成しています。
タップできる目次
AfterShokz OpenComm(オープンコム)とは?
まず『AfterShokz OpenComm』を販売しているAfterShokz(アフターショックス)について軽くご紹介。AfterShokz社は、2011年アメリカのニューヨークで誕生したメーカー。いち早くヘッドホン骨伝導技術を取り入れ、それ以来骨伝導ヘッドホンのパイオニアとして高い品質のヘッドホンを作り続けています。
そんなAfterShokzがクラウドファンディングで8,200万円以上の資金を集め、大成功を収めたプロジェクトが、骨伝導方式を採用したヘッドセット『AfterShokz OpenComm』です。
『AfterShokz OpenComm』は、同社フラッグシップモデル『AfterShokz Aeropex』をベースに、「DSPノイズキャンセリングブームマイク」を搭載した、テレワークでのビデオ会議、オンラインでのリモート授業など、現代のビジネスや教育の現場にふさわしいモデルとして設計されたヘッドセットとなっています。
骨伝導方式とは?
「骨伝導」とは、その名の通り「骨」を通して直接聴覚神経に音を届ける技術です。骨を通して音を聴くので、通常のイヤホンより鼓膜への負担が少ないと言われています。
また耳を塞がないので、周囲の音を聞き取ることが出来ます。スポーツや何かの作業をしている時など、周囲の音を取り入れながら、BGM感覚で音楽を聴くことが可能です。
AfterShokz OpenCommのスペック
AfterShokz OpenComm | |
---|---|
型番 | ASC100 |
Bluetooth | 5.0 |
対応コーデック | SBC |
搭載チップ | Qualcomm3024 |
搭載マイク | デュアルDSP ノイズキャンセリングマイク |
再生時間 | 最長8時間 |
通話時間 | 最長16時間 |
待機時間 | 最長366時間 |
バッテリー容量 | 170mAh |
充電端子 | マグネット方式 |
充電時間 | 約1時間(5分の充電で2時間使用可能な急速充電対応) |
サイズ | 約12.15×10×4.55cm |
重量 | 33g |
防塵防水性能 | IP55 ※粉塵の侵入を防止かつ、いかなる方向から水がかかっても影響を受けない |
スペック的には上記の様な形。まず重量が33gと非常に軽量。連続再生時間は最大8時間と長時間再生が可能です。
また、マイクだけを使う入力専用デバイスとして使った場合は、最大16時間もの通話が可能。これだけ長時間使えれば1日中ウェブ会議をしていても問題ありません(やりたくはありませんがw)
防塵防水機能は「IP55」となっています。これは、「粉塵が内部に侵入することを防止した上で、多少防塵の侵入があっても問題ない上に、いかなる方向から水がかかっても影響を受けない」という性能を有しています。
ただ、完全防塵・完全防水というわけではありません。多少の水や雨程度では問題ありませんが、水中で使えるほどでは無いので、お風呂やプールでの仕様は控えたほうが良いと思います。
搭載されているQualcomm3024と対応コーデックについて
『AfterShokz OpenComm』は、「Qualcomm3024」というチップを搭載しています。Qualcommのサイトにはチップの詳細な仕様が記載されており、このチップはヘッドセット用の低電力SoC(システムオンチップ)との事です。
『AfterShokz OpenComm』は仕様を見ても対応コーデックの記載がありません。
ただ「Qualcomm3024」チップ自体は「SBC」と「AAC」に対応しているようです。『AfterShokz Aeropex』が「SBC」のみでしたので、もし「AAC」にも対応しているのであれば音質面でも進化していると言えます。
「AAC」に対応していた場合、iPhoneを使った時に音質面・遅延面で有利です。
AfterShokz OpenCommのパッケージや付属品など
『AfterShokz OpenComm』のパッケージや付属品を見ていきます。
パッケージ

パッケージ外枠はAfterShokzらしいスタイリッシュなデザイン。

『AfterShokz OpenComm』を付けている様子は、まるで映画の1シーンを見ているかのよう。


外枠を外すと、重厚なデザインのパッケージが現れます。

開けてみると、セミハードのキャリーケースが入っています。

キャリーケースは軽量ながらもかなりしっかりとした作りになっており、衝撃にも強そう。高級感もあり、流石上位モデルだなと感じます。

キャリーケースはジッパー式。

開けると、『AfterShokz OpenComm』本体と、付属品のマグネット式充電ケーブルが収納されていました。

その他のマニュアル類は別途まとめて収納されています。
付属品

付属品は、
- AfterShokz OpenComm 本体 1台
- マグネット式充電ケーブル 1本
- 専用キャリーケース 1個
- ユーザーガイド
- 安全上の注意
- 製品保証書
- ペアリング設定方法ガイド
以上が付属しています。
「ユーザーガイド」や「安全上の注意」は12ヶ国語に対応しており、もちろん日本語での記載もあるので安心。
マグネット式充電ケーブル

付属しているマグネット式充電ケーブルです。長さは約60cmほど。
『AfterShokz Aeropex』に付属しているマグネット式充電ケーブルと形状が異なりますが、互換性はあります。ただ「急速充電」したい場合は、この同梱ケーブルを使う必要があるようです。
専用ケーブルは無くした時や壊れた時に心配ですが、Amazonにケーブルが単品で販売されていますので一応の安心感はあります。
AfterShokz OpenComm本体のデザインやサイズ感など
それでは、『AfterShokz OpenComm』本体のデザインやサイズ感などを見ていきます。

『AfterShokz Aeropex』をベースとしているだけあって、全体的に細くてシャープな印象。ヘッドセットって結構野暮ったいデザインの製品が多いのですが、この製品はとてもスタイリッシュでカッコいいですね。流石グッドデザイン賞を受賞しているだけあります。

本体右側の操作ボタン部分。マグネット充電用の端子と、電源・音量調整ボタンがあります。『AfterShokz Aeropex』とは異なり操作ボタンはオレンジ色が使われています。実用面を考慮して、より実用的になるように目立つオレンジが使われているのかもしれませんが、ちょっとこの配色は好みが分かれそう。
個人的には『AfterShokz Aeropex』の様に同系色でまとめて欲しかったなと思いました。

マグネット充電端子です。ポンと付けるだけなので、着脱は普通のUSBケーブルなどと比べて非常に楽です。こういったマグネットで固定する方式は、AppleがMagSafe端子として、MacBookで採用していましたね。それと同じ仕組みです。

本体充電中は、LEDランプが赤に光ります。充電完了後はLEDランプの色が青に変化するので、充電具合が一目瞭然です。
専用端子という事で一長一短はありますが、個人的にはかなり使い勝手が良いので、これはアリだと思います。

振動ユニット部分。かなり小ぶりなので、付けていてもあまり目立たないのが良いですね。

『AfterShokz Aeropex』と比較すると、大きさ自体はほぼ一緒ですが、『AfterShokz OpenComm』のほうが若干厚めでした。

振動ユニット表面にある「マルチファンクションボタン」。このボタン一つで曲の再生・停止や、かかってきた電話に出ることが可能。

『AfterShokz OpenComm』最大の特徴である「ブームマイク」。こちらはDSPノイズキャンセリング機能が搭載されており、ノイズの少ないクリアな音声通話が可能となっています。


ブームマイクは250度回転可能。使用しない時には後ろ方向に折りたたんでおけば邪魔になりません。
AfterShokz OpenCommを使ってみます
それでは、実際に『AfterShokz OpenComm』を使ってみます。
ペアリング

Bluetooth接続をするので、まずはデバイスとペアリングします。ペアリングの方法は「電源OFFの状態で+ボタンを5秒以上押す」とペアリングモードになるので、この状態で接続したいデバイスとペアリングさせます。
丁寧にペアリング設定方法が書かれたカードが付属してくるので、これを見れば一目瞭然です。
こういった海外製品は日本語のマニュアル類が簡素な事が多いのですが、『AfterShokz OpenComm』はこういった細かい部分で手を抜いていないのが好印象です。

マニュアル通りに「+ボタン」を長押しすると、LEDが赤と青に点滅し、ペアリングモードになります。


手元のiPhoneでペアリングしてみます。『AfterShokz OpenComm』をペアリングモードすると、「OpenComm by AfterShokz」という名前でデバイスが出てくるので、それを選択してペアリングを完了させます。
ペアリング自体は一般的なBluethooth機器とそれほど大きく変わらないのですが、付属してくるマニュアルのおかげで迷うこと無く操作できます。
NFCペアリングに対応

『AfterShokz OpenComm』はNFCペアリングにも対応。対応しているデバイスを持っている場合、ワンタッチでペアリングが完了します。
僕の持っているiPhone12 miniはどうもNFCペアリングに対応していないみたいなので、残念ながらこの機能は使えませんでした。
AfterShokz OpenCommを付けた様子

実際に『AfterShokz OpenComm』を付けてみた様子です。
『AfterShokz Aeropex』をベースとしているだけあって、付け心地は上々。フィット感も良く多少頭を振ったくらいではズレることはありません。また、ブームマイクは小型なので、そこまで目立っていないのが良いですね。
本体重量も33gと軽く、長時間付けていても重さが気になることはありません。
付けたままの状態で、しばらく音楽を聴きながら作業をしてみましたが、軽さもあって作業に集中している時は付けているのを忘れてしまうほど。

作業用にBGMを流しておきたいけど、スピーカーだと音がうるさくて心配といった方には非常にオススメです。
音声ガイドが全て日本語
電源を入れる時には、「アフターショックスへようこそ」、ペアリングモードに入る時は「ペアリングモードです」などと、全て日本語の音声でガイドしてくれます。
こういった海外製品では、音声ガイドは付いていても英語しかない事が多いので、こういった細かい点までちゃんと日本語対応されているのは非常に好印象です。
AfterShokz OpenCommの音質

音質はあくまで「僕個人が感じた主観である」ということをお断りした上でレビューすると、
聞きやすく、全体的に良いと思いました。
中高音域の抜けの良さは『AfterShokz Aeropex』と同等程度あり、音楽鑑賞にも十分使えるほどの音質を備えていると思います。
ただ、『AfterShokz OpenComm』は通話用にチューニングされているのか、『AfterShokz Aeropex』と比較すると音の鮮やかさや厚みが薄い気がします。音楽を楽しむという用途だと、『AfterShokz Aeropex』の方が聴いてて心地よく、こちらに軍配が上がると思います。
また、低音域は頑張っているとは思いますが多少弱めな印象。「骨伝導」という方式の性質上仕方ないのかもしれません。
AfterShokz OpenCommのマイク品質
『AfterShokz OpenComm』のウリである「マイク品質」についても試してみました。
『AfterShokz Aeropex』と『AfterShokz OpenComm』を使いLINE通話をしてみましたが、明らかに『AfterShokz OpenComm』の方がクリアに音声が聴こえます。
『AfterShokz Aeropex』のマイクはお世辞にも品質が良いとは言えず、かなり圧縮されたような声に聞こえました。そのため通話中に何度も聞き返してしまう事もありましたが、『AfterShokz OpenComm』はそんな事が無く普通に通話ができましたので、マイク品質に関しては間違いなく『AfterShokz OpenComm』は優秀。
ノイズキャンセリング機能も効いているようで、試しに雑音のある場所で通話もしてみましたが、通話相手からはそこまで気にならないという意見だったので、効果があるようです。
web会議など、通話をしたい場合『AfterShokz OpenComm』を選択するのがベストと言えます。
AfterShokz OpenCommのまとめ

- AfterShokz OpenComm のイマイチな点
- 音楽を楽しむという用途であれば『AfterShokz Aeropex』の方が良さそう
- AfterShokz OpenComm の良い点
- 骨伝導方式とは思えないほどの高音質
- マイク性能が凄く、ノイズキャンセリングもバッチリと効いている
- 33gと軽量で、付けているのを忘れるほど
- フィット感がバツグンで、多少動いた程度ではズレない
- 耳を塞がないので周囲の音が聞こえ、耳への負担も少ない
- IP55の防塵防水性能で、多少の雨くらいであれば問題なく使用可能
『AfterShokz OpenComm』は、骨伝導方式を採用して、耳を塞がないのにクリアな音質を実現しているワイヤレスヘッドセットです。
本体が軽くフィット感がバツグンなので、長時間付けたままでも疲れにくく、ズレ落ちることもありません。
また、音質面でも非常に聞き取りやすいクリアな音質で、音楽鑑賞も楽しめるほどの良い音を実現しています。
ブームマイクは、ノイズキャンセリング機能を搭載しているため、多少周りが騒がしくてもクリアな音声を通話相手に届けることが出来ます。
昨今はテレワークの広がりにより、ウェブ会議などの機会も増えています。『AfterShokz OpenComm』は、そんな現代のビジネススタイルに非常にマッチした、優れたヘッドセットとなっています。ウェブ会議用のヘッドセットが欲しいと思っている方に非常にオススメです。
タップできる目次